アレルギー・感染症・炎症・腫瘍・内科的疾患に伴う皮膚症状など、皮膚に生じる疾患を幅広く扱っています。
このような症状の方は、ご相談ください。
- 発疹、乾燥、腫れ、爪の濁り
- やけど、かゆみ、かぶれ、ぶつぶつ、ちくちく
- シミ、脱毛、皮がむける、赤み
- ぴりぴり、ただれ、イボ、疲労・ストレス
- 水ぶくれ、ふやける、ひび割れ、むずむず
- ふくらみ、じんましん
- 色素脱落、食物アレルギー、痛み、など・・・
ご自分での病状の判断は危険ですのでお一人で悩まず、どんな些細なことでもまずはご相談ください。
当院で可能な検査
適切な診断を行い、内服薬、外用薬を合わせて加療いたします。
軽症の処置などは外来にて行いますが、重傷患者様や手術の必要な患者様に関しましては連携医療機関に紹介を行います。
小児の水いぼを採る際には表面麻酔のテープを張り痛みを感じにくくして小児の精神的負担を軽減するように配慮いたしております。よって遅くとも受付時間終了前60分前には来院して下さい。
当院は一次皮膚科となりますので、手術、レーザー治療、液体窒素での加療に関しましては他院ご紹介させていただきます!
また小児の伝染性軟属腫(水いぼ)の切除処置におきましては内科診療の混雑時はお断りする事がございますのでご了承下さい。
代表的な皮膚疾患
かゆみ
多くの皮膚病は「かゆみ」を伴います。
かゆみの症状が激しいと、勉強や仕事に集中できなくなったり、眠れなくなったりします。
かぶれなどの湿疹/皮膚炎、じんましん(蕁麻疹)、加齢などがおもな原因ですが、単に「湿疹だから」とか「老人性のものだから」と思ってはいないでしょうか?
感染・流行してしまうダニによるもの、悪性腫瘍に伴うもの、カビの感染・寄生によるものなど、かゆみの原因は実に様々です。
各種検査を施行しないと診断に至らない場合も多いです。
【かゆみを伴う様々な皮膚疾患】
湿疹/皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症、痒疹(ぶつぶつ隆起しているもの)、アミロイド苔癬(ざらざら、ぶつぶつしたものが集まっているもの)、薬疹、白癬、皮膚カンジダ症、疥癬、ダニ、シラミ、虫刺症、皮膚T細胞リンパ腫、他多数。
赤み
膠原病に伴うものが有名ですが、一般的には、接触皮膚炎(かぶれ)やアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹によるものが多いです。
伝染性紅斑(りんご病)や風疹(三日はしか)などのウイルス感染によるもの、丹毒などの細菌感染によるものもあります。
ざ瘡(にきび)や酒さ(顔の赤み・血管拡張や、にきび様のぶつぶつ)の他に、ステロイド外用による赤みもあります。
皮膚に良いと思っていたことが、実は悪化要因であることも多々ありますので、十分な注意が必要です。
【おもに顔に赤みを伴う様々な皮膚疾患】
接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹、ざ瘡、酒さ、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、全身性エリテマトーデス、伝染性紅斑、風疹、丹毒、凍瘡、蕁麻疹、紅斑性天疱瘡、他多数。
ぶつぶつ
激しいかゆみを伴う痒疹やアミロイド苔癬では、治りにくい場合もあります。
ダニによる疥癬も著しいかゆみを伴いますが、感染しますので注意が必要です。
ほとんどの場合、家族も同時に治療しなければなりません。
アトピー性皮膚炎などに代表される湿疹/皮膚炎でもぶつぶつします。
おもに顔に出るものには、ざ瘡(にきび)や酒さ(顔の赤み・血管拡張や、にきび様のぶつぶつ)の他に、稗粒腫や汗管腫などの良性腫瘍もあります。
「脂肪のかたまり」と思い込まれていることも多々あります。
常染色体優性遺伝(突然変異も多い)である結節性硬化症では、顔のぶつぶつ以外に、様々な皮膚症状・内臓病変がみられます。
各種検査が必要になります。
ウイルスの感染による、ウイルス性疣贅(いぼ)や伝染性軟属腫(みずいぼ)もあります。
毛穴に炎症を伴って生じる毛包炎や、おもに上腕外側などに生じる毛孔性苔癬、肘・膝ではぶつぶつが重なって赤みとなる毛孔性紅色粃糠疹もあります。
【ぶつぶつを伴う様々な皮膚疾患】
痒疹、アミロイド苔癬、疥癬、アトピー性皮膚炎、汗疱、ざ瘡、酒さ、稗粒腫、汗管腫、結節性硬化症、ウイルス性疣贅、伝染性軟属腫、毛包炎、毛孔性苔癬、毛孔性紅色粃糠疹、虫刺症、他多数。
痛み
「痛み」を伴う皮膚病があります。
再発を繰り返すものや、神経痛が長く続いたりするものがあります。
細菌感染や物理的・科学的障害に伴うものもあります。
原因は様々であり、各皮膚病に対しての治療方法は異なりますので、正しい診断と治療が必要です。
【痛みを伴う様々な皮膚疾患】
単純疱疹(単純ヘルペス)、帯状疱疹、せつ、蜂巣炎/蜂窩織炎、結節性紅斑、熱傷、皮膚潰瘍、虫刺症、各種腫瘍、他多数。
アトピー性皮膚炎
どんな病気?
かゆみを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)ですが根本的には皮膚の生理学的な異常と考えられています。
そこへ様々な刺激やアレルギーの反応が加わり生じやすくなります。
慢性的な経過をたどりますが適切な診断と治療で治る事が期待されます。
アトピー性皮膚炎は、遺伝的素因も含んだ多病因性の疾患であり、疾患そのものを完治させうる治療方法は無いです。
アトピー性皮膚炎の要素
家族歴や既往歴(気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎)またはIgE抗体を産生し易い素因です。
診断
皮膚に湿疹病変があり左右対側性です。
好発部位としては前額・眼囲・口囲・耳介周囲・頸部・四肢関節部・体幹があります。
慢性・反復性の経過をたどります。
しばしば新旧の皮疹が混在します。
IgE抗体の測定の重要性
皮膚に湿疹病変があり、左右対側性です。
好発部位としては前額・眼囲・口囲・耳介周囲・頸部・四肢関節部・体幹があります。
血清のIgE値は、アトピー性皮膚炎の患者で、約80%で高値となり診断の参考になります。
血清のIgE値は、長期的な重症度や病状を反映しますが、短期的な変化には反映しません。
またアトピー性皮膚炎の患者様は、ダニ、ハウスダスト、花粉、真菌、食物など複数のアレルゲンに対してIgE抗体を産生しやすいために、検査にて数値を知ることは予後にとっても治療の選択にとってもとても大切なことです。
IgEの数値によって、今後起こり得る症状を予知し予防することに役立ちます。
当院では早めに検査を行うことによって、子供さんにおいては食物アレルギーのご相談にも対応いたします。
最近はアナフィラキシーショックを起こしやすいとされているピーナッツ・キウイ・そばなどは、学校給食には出てこない事が多くなりましたが、それ以外の食物に反応している場合は、ただ給食での除去をすればいいというだけではなく、色々なアプローチを考えて行かなくてはなりません。
給食の除去食は、子供にとってお友達と違った給食を食べることになることで、精神的な負担や不安を持つという反面もありますので、注意深く進めてまいりましょう。
IgE抗体の測定の重要性
TARC値の測定も大切です。
アトピー性皮膚炎の病勢マーカーとして、血清TARC値はとても有用であると考えられています。
血清のTARC値を指標として、患者様の病気に対しての教育、治療方法の見直しなどを考えて行きましょう。
患者さまの中にはステロイドでの治療中に自己判断で、中薬し急激な悪化を招く事があります。
TARCの値を参考にして使用薬の増減、休薬、中止などを考えてまいりましょう。
治療の目標
当院が掲げる治療の目標は、症状が無い、または多少あっても日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、その状態をできるだけ長く維持していただきたいと考えております。
また日常生活に支障をきたすような、急激な悪化などが起こらないように、コントロールしていくことを目標としています。
当院での治療の特徴
アトピー性皮膚炎の治療に関しまして当院では
- ①悪化因子の検索と対策
- ②スキンケアーや外用薬の使用
- ③内服薬を含む薬物治療
の3点を基本といたしております。
この3点は、どれもとても重要な事柄であり、それぞれの患者様に対して、オリジナルな組み合わせで治療を行なっております。
ステロイドの使用に関して
当院では、治療の中にステロイドの外用薬を使用する場合があります。
日々の診療の中で、患者様からステロイドの使用に関して不安なお声をいただく事が多くあります。
あえて私の考えとしましては、アトピー性皮膚炎の病巣部では、皮膚の炎症によって皮膚のバリア機能の低下や、些細なことからの刺激性の亢進、掻破の刺激などから湿疹がますます悪化する悪循環が、生じうるため薬物を使用し、炎症を制御することは、アトピー性皮膚炎の悪化因子を減らすために、とても重要と考えております。
最近ではアトピー性皮膚炎の炎症を鎮静するために、有用であるとされている薬剤で、有効性と安全性が化学的に検討されている薬剤は、ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏です。
その他としては、非ステロイド系消炎外用薬を希望される患者様もいらっしゃいますが、抗炎症作用は極めて弱く接触皮膚炎を生じる事が稀ではなく、その適応範囲は狭いと考えます
アトピー性皮膚炎の症状が強く発症している時には、患者様の負担軽減のためにも速やかに、かつ確実に鎮静させる事が重要であると考え、そのためにはステロド外用薬とタクロリムス軟膏を組み合わせながら、患者様にあった治療方を提供していこうと考えております。